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おとなが読むべき「発想えほん」

ヨシタケシンスケ著「りんごかもしれない」です。

ジャンルとしては「絵本」です。絵もほんわかしてますし、文章は基本的にはひらがな、カタカナで、漢字にはルビがふってあります。

ストーリーは、

ある日主人公の少年が家に帰ると、テーブルに上に「りんご」がおいてありました。

主人公は、自分が見たものは「りんご」であると思いつつも、もしかしたらこれは「りんごじゃないのかもしれない」と思い始めます。

最初は「りんご」となにかしら共通の部分から発想していきます。

 

「これはほんとは「さくらんぼ」かもしれない」

(大きいさくらんぼの絵が書いてある)

 

「これは「ぶどうゼリー」かもしれない」

(りんごの形をした容器の絵)

 

こんな感じで話が進んでいきますが、だんだん「りんご」という具体的なものから、「りんご」を抽象的にとらえて哲学的な発想をするようになります。

 

「そもそもなぜ「りんご」はここにあるのだろう?」

少年が思ったことは、一見すごい飛躍があっておそらく文章だけだとイメージしづらいのかもしれません。そこは「絵本」という強みを生かして少年の頭のなかを「絵」で表現されているので、少年のイメージがわかりやすくなっています。

 

本を買ったときの帯に「発想えほん」と書いてあります。

本を読み終わったときにその意味に「納得」する、という満足感がありました。

 

作者のヨシタケシンスケさんは、

「この絵本でもっとも考えたのは、ネタの順番」

とのこと。

 

後半のほうに出てくる「~なのかもしれない」は、少々飛躍しているので、いきなりでてくると多少違和感を感じるでしょう。

それが、「りんご」からイメージしやすいことで始めて、だんだん抽象的なことに進んでいくので、どの「~なのかもしれない」もすんなり頭に入ってきます。

 

 

ミルクボーイの「コーンフレーク」

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M-1グランプリ2019で優勝した「ミルクボーイ」です。

1本目の「コーンフレーク」ネタは面白かったですね。

 

ネタの大まかな進行は

「おかんが好きな食べ物の名前を忘れた」

「好きな名前の食べ物の特徴を言ってみて」

 

(特徴を言う)

「それはコーンフレークだ」

「○○だから」

 

(特徴を言う)

「それはコーンフレークじゃない」

「××だから」

(否定のときは、コーンフレークをかなりディスる)

 

これを繰り返していきます。

生放送で見たときは、純粋に笑ってましたが、録画したものを改めて見ますと、「コーンフレークである」特徴は比較的思いつきやすいですが、「コーンフレークでない」特徴を思いつくのは、ちょっと発想しづらいところがあります。

 

「腕組んでる虎の顔」はパッケージを見たままですが、それと「生産者の顔が浮かびづらい」に結びつけるのは、それほど簡単なことではありません。

 

また、「精進料理」から「煩悩の塊」までは、なんとか思いつくところでしょうか。ただ「煩悩」=「朝から楽してごはんを食べようということ」に結びつけるのも言われればそう思いますが、自ら考えつくのはなかなか困難な作業になるでしょう。

 

松本人志さんが「これぞ漫才というのを久しぶりに見た」と評していましたので、やはり漫才は「目の付け所」というのが「漫才師」としての「才能」なのではないでしょうか。


 

要素分解のいい練習になるかも

このミルクボーイの「漫才の作り方」に感心していたところに本屋で「りんごかもしれない」を見つけたので「発想の仕方」の勉強に、と思って買ったわけであります。

 

ミルクボーイの漫才は、

「特徴」 → 「特徴から推察されるもの」

→ 「コーンフレークだ」

→ 「コーンフレークじゃない」

 

「りんごかもしれない」

「目の前にあるもの」 → 「特徴を推察」

→ 「りんごじゃないかもしれない」

 

発想の仕方の方向が多少違いますが、特徴を数多く考えている、という点が似ています。

 

ちょっと専門的になりますが、フレームワークの本に出てくる「思考法」に挙げられている「やり方」の具体的方法の参考になるでしょう。

 

特に「要素分解」のためのいい素材、と思います。

 

「要素分解」とは、「大きなこと」「複雑なこと」を可能な限りの「要素」に「分解」することです。

「要素」とは、「素材」「材料」「場所」「時間」など。「5W1H」で考えてみてもいいです。「切り口」とか「見る角度」という言い方でもいいでしょう。

「分解」は、「分ける」「分割する」ことです。

 

「コーンフレーク」「りんご」の「特徴」を「要素」に「分解」してみます。

  • 形状(形、色)
  • 規格(大きさ、重さ、硬さ)
  • 素材(材料、産地、メーカー)
  • 用途(使用目的、使用場面)
  • ジャンル
  • 五感

など。

 

要素に分解したら、具体的なことを考えましょう。

 

「りんごかもしれない」の場合は、りんごの特徴あげています。

  • 赤い
  • 丸い
  • 皮をむく

・・・

次に特徴から発展させます。

 

赤いもの → 赤い他のもの

「りんごはもしかしてその他の赤いものなのかもしれない」

丸いもの → 丸い他のもの

「りんごはもしかしてその他の丸いものなのかもしれない」

 

など。

 

なんとなくあいまいな文章になってしまったことはお許しを。ネタバレを控えつつの紹介なのでねえ・・・。

詳細は「りんごかもしれない」のなかで主人公の少年の発想がどんどん飛躍していくところをぜひ読んでみてください。

 

 

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