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就職や転職しようと思ったときに、「不動産営業」に興味を持った方も多いかと思います。売買の場合は高額なものを扱うことになるので、「大変そう」というイメージがあると思います。

その他のイメージとしては

「拘束時間が長い」
「休日がない」
「体育会系」
「基本給が低く歩合の率が高い」

こんなところでしょうか。

「不動産営業に向き不向きがあるか?」
という問いに対する結論を言うと、
「実は、不動産営業という仕事そのものに対する向き不向きはない」
「基本的には誰でも出来る仕事」
という答えになります。

正確に言うと、
「その不動産会社としての色、社長のキャラ、会社としての営業のやり方、その会社にいる上司、先輩と合うか合わないか、によって左右される」
のです。

その理由を説明していきます。




本当に誰でもできる?

基本はマニュアル通りにやればいいだけ

これは本当に誰でも出来ます。

一般的に営業向きの人というのは、社交的でコミュニケーションを上手に取る人、というイメージでしょう。

ただ勘違いしやすいのは、女性を口説いたり、初めて合う人とすぐに友達になれたり、まわりを盛り上げるようなコミュニケーションと、営業とお客さんが取るコミュニケーションでは、性格が違うということです。

最低限相手と話すことが出来る人なら、それこそ誰でも営業マンになれます。

(一切会話が出来ない人、というのであれば営業に向いていないと言えますが、そのレベルになると社会生活そのものに苦労しそうですけれど・・・)

これはなぜかと言うと、ある程度の年数がある会社であれば、実際に契約を取って来ているから会社として継続しているわけなので、そのためのノウハウというのがあります。

そのノウハウ通りにやれば、ほとんどの人は契約がとれるはずなので、そのノウハウ通りにやればいいわけです。

これは営業未経験の方にイメージしづらいですが、これから営業をしようとしたときに、相手から言われる断り方・断り文句というのは、実は無限ではなく有限です。

なので「相手からこう言われたらこう返せ」というのが確立しています。

さらに言うと、不動産売買の場合、実は断り文句というのにはトレンドがありまして、大きい地震の直後だと、ほとんどの人が地震が怖いと言います。

たしかに地震は怖いのですが、不思議なことに3~4年大きい地震がないと、「地震が怖い」と言う人はほとんどいなくなって、別のことを言うようになります。

このことから不動産営業業界では、「断り文句の99%はとりあえず言ってるだけ」となっていまして、それに対する営業トークをしていけば、契約が取れる確率が上がる、とされています。

また、例えは悪いのですが、オレオレ詐欺グループがなぜあんなに騙せるのかと言うと、「電話をかけたときの会話集」というかなりしっかりしたマニュアル化されていまして、「こう言うとうまくいった」という経験則が大量にあるためです。

このグループに引き込まれた人が、このマニュアル通りに電話をかけているだけなんですね。

(ちなみに、もし詐欺っぽい電話がかかってきたら、一切会話をしない、相手の話を聞かないのが最善)




前職も経験も本人の性格もあまり関係がない

営業に向いてるかどうかの判断基準として
「営業成績がでるかどうか?」
「契約がとれるかどうか?」
というところで考えがちですが、入社前の未経験の個人の状態では、直接は関係ないように思います。

会社に営業のマニュアルがあり、成績の出てる人を間近に見れる状態であれば、そのとおりにやるだけなので、本人の性格とか前職もほとんど関係ないです。

しいて言えば、マニュアルをオリジナルの解釈をせずそのまま出来る人、というくらいでしょうか。

会社によっては、個人に「色」がついているとマニュアルをすんなり受け入れない人が多いので、業界未経験者しか採用しない、という会社もあります。

実際に見た例では、普段のコミュニケーションもほとんどない無口なアニメおたく君と元ホストという人と自分も含めて同じ部署で営業としてやっていたことがありましたが、営業成績はアニメおたく君がダントツによかったです。

何が違うのか?

アニメおたく君は自分でも他人との普段のコミュニケーションのとり方がよくわからない、というくらいでした。なので営業するときの会話はマニュアル100%そのままなのです。オリジナルのコミュニケーションのとり方というのが一切ありません。

なので、営業での会話が「契約に向けて一直線」のような感じなのです。人と仲良くなる、というものとは明らかに違います。契約のために、その1点だけです。

その時の上司だった課長も、
「こう言われたらこう言え、というのを素直に出来るやつはすぐ契約取ってくる」
と言って喜んでいました。

一方、元ホスト君はコミュニケーションのとり方は、ものすごいうまいのですが、どうも仲良くなるのはいいとして、仲良くなりすぎたのかなぜか「物を売る」ところまでいきません。

感覚として、コミュニケーションのとり方がオリジナルなため、その会社での契約までの営業トークの流れになっていないようでした。

結局元ホスト君は、目立った成績をあげられずに会社を辞めていきました。彼の名誉のために言っておきますと、その後女性向けの商品を売る会社に就職したそうですが、1ヶ月目からダントツの成績をあげたようです。

単に男性向けの営業が合わなかったようでした。向き不向きという言い方をすれば、営業そのものが出来なかったわけではない、ということになります。

また、アニメおたく君は
「アニメを見る時間がない」
と言って会社を辞めたいと言い出しました。

課長としては営業成績は良いので引き止めていましたが、彼が頑なな態度になってきたので、
「じゃあ1ヶ月で3本分譲マンションの契約を取ってきたら辞めても言いよ」
と言ったところ、ほんとに契約を取ってきて、とっとと会社を辞めていきました。

これは向き不向きで言うと
「契約を取れているので営業に向いている」
となりますが、本人的にはずっと
「自分は営業向きではない」
と思っていたようです。

なので、入社前に自分が営業向きかどうかは
「やってみないとわからない」
としか言えません、というのが
「向き不向きに対する答え」になります。

実際は「その会社」と合うかどうかがすべて

営業として向き不向きはないので
「営業としてやっていけるかどうか」
という言い方をしていきます。

これに対する答えは
「『その会社』と合うかどうかがすべて」
となります。

不動産取引といっても、細分化するとかなりの分類になるので、不動産営業に就職する前に、不動産営業の種類を知っておくを参考にしてください。

営業のイメージが悪いのは、営業会社にいる人間のイメージが悪いから。

特に社員に対するマニュアルの教育とか、フォローとかフィードバックとか全くしない会社もあります。実際に「根性論100%」という会社もあるくらいですからね。

営業未経験者に対して、「自力で契約を取ってこい」とか言うのはさすがに無茶ですが、結構こういう会社もちらほら耳に入ってきます。

どうも「連鎖」と表現するしかない感じです。

実際に20代で年収1000万とかもらってる人は
「自分は自力で契約を取ってきた」
という意識が全面に出すぎるのか、他人に対しても
「俺は自分でなんとかしてきた」
という考えを押し付ける傾向にあります。

会社としては、ちゃんと教育したほうが会社全体として成績が出そうですが、それこそ「個人の集まり」みたいな会社もあります。

なぜかと言えば、中小、・新興不動産営業会社の社長は、どこかの会社の営業としてかなりの成績をあげてきた人が独立することがほとんどなので、「会社の経営方針は、社長の経験100%」になりがちです。

自分の言うとおりにやるやつはいい、やらないやつは悪い、という考え方が役員、役職者を通して末端の社員までいくので、この「社風」に対して合うか合わないか、問題が出てきます。

特に、イケイケ系の社長だったりすると、元ヤンキーみたいな新入社員は結構売るようになります。それに対してちょっと論理的というか「冷静でノリの悪い人」というのは営業成績に苦労するようです。

これは不動産営業そのものに向き不向きがある、ということと違うことがわかるでしょう。

営業のやり方が違うと会社の上の方から、営業スタイルを修正されたり、ひどいときは人格否定までするような人がいます。社長の考えがそうですし、それに心酔してきた部下が偉くなってきているので、そうなるのは仕方がないところ。

それに対して個人が合うか合わないか、です。

合うと成績が出るでしょうし、合わないと成績は出ない傾向があります。




ただし、事前にどんな社風かは、ほとんどわからない

自分に合う会社に就職するのは、ほぼ無理です。募集の広告を見ても、ほんとのことは書いていません。

一つの方法としては、入社しようとする会社を夜の10時頃に訪問してみましょう。中に入らなくてもいいので、外から明かりがついてるかどうかが確認できればOK。

明かりが完全についていれば、その時間までいるのが日常ということになります。手間はかかりますが、曜日を変えて2,3日様子を伺いましょう。

また、そのくらいの時間に問い合わせの電話をしてみてもいいです。電話越しに聞こえてくる音が、とても活気ある雰囲気だと、そのくらいの時間が仕事のピークの可能性もあります。

この業界はそのくらいの用心さは必要です。

また、都道府県庁に行くと不動産会社についてある程度の資料が見れるはずなので、
(特に営業停止関係は要チェック)
もし、怪しいところがあればすぐにわかるはずです。

また、物件の広告を出しているのなら、問い合わせのふりをして電話をしてみましょう。メールとかよりも電話の方がいいです。日曜日とかに電話して、男性がすぐ出るところも要注意のような気がします。

まとめ

再度言いますが、不動産営業そのものに対する向き不向きというのはありません。

営業としてやっていけるかどうかは、その営業会社の人間とうまくやっていけるかどうかになります。

ただ、これも含めて営業だぞ、という営業マンも多いので、そうなると最低限の教育もしてもらえないまま現場に投げ出されるでしょう。

そこでうまくいくようなら、何か違う仕事をしてもうまくいくはずです。

不動産営業に限らず、
「自分は何がしたいのか?」
というのを、再確認するようにします。

実際に営業職に行こうと思うのはその後でも十分です。

この回は以上です。




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